大学生による大学生のための政治入門③
前回まで「保守とリベラル」「自分の頭で考える」ということを述べてきたので、今回は僕なりの情報収集手段について述べたい。
読書面と行動面の二つに分けてお話しする。
【読書】
①複数の新聞を読む。
新聞を読むだけでなく、複数の新聞を比較しながら読むことをお勧めする。
偏った情報源ばかりでは偏った意見しか生まれない。
ただいきなり複数読むのはつらいと思うのでまずは一紙を読み続け、そのあと1ヶ月ぐらいしたら二紙、三紙と増やしたらどうだろうか。
またニューヨークタイムズなど海外紙も読めると視野が広がると思う。(僕自身、やろうと思いつつできてないが)
僕は家庭で読売新聞を読み続けていたが、大学生になってからは日本経済新聞と朝日新聞も読むようになった。
忙しいときは一面のみを見比べているがそれでも学ぶことは多い。
まず見比べるべき点は一面で何を取り上げているか。やはり震災などあると震災が一面になるが、政策などになると各紙の特徴が出る。例えば外国人労働者は日経がかなり追いかけている。
また沖縄基地や原発については各紙、かなり色が違うので違いを学ぶ上ではかなり良い材料だと思う。
また逆に取り上げていない、他の新聞では大きく取り上げているのに小さく扱っているなども見比べると特徴が出てくる。
一つの新聞に真実が書かれているのではなく、複数を見比べることで真実が浮き上がってくるのだと僕は思っている。
家で新聞をとっていない?公立の図書館や大学図書館に行けば必ずある。
②高校の政経の教科書
実はかなり優秀。通読しても良いし、わからない言葉が出たときに参照するのでも使える。
③政治学の基本書
おそらくもっともベーシックな政治学の基本書は
久米郁男 川出良枝 古城佳子
ではなかろうか。ここから様々な文献に飛ぶことで体系的に政治学を学べると思う。
ほかに個人的にお世話になったテキストを挙げると
やや難。しかし大いに勉強になる。現在(2018年9月19日現在)著者の佐々木毅教授が読売新聞で「学問と政治」という自伝的コラムを連載されている。
砂原庸介 稗田健志 多湖淳
読みやすい。平易な言葉で明快に説明してくれる。上の「政治学」と合わせて読むと効果抜群。
他のおすすめ
「18歳からの政治入門」日本経済新聞政治部
「現代政治理論」有斐閣アルマ
川崎修 杉田敦
「自民党―政権党の38年」 (中公文庫)
※③を補足するものとして
公務員試験用のテキストがオススメです。深みはないですが簡潔にまとめてくれてるので概要を理解するのに役立ちます。
公務員試験予備校のTACが出している「Vテキスト 政治学」など
本なんか読んでられねぇーよぉという人にお勧めするのは以下の2つ
①議員インターン
民間企業のインターンが最近流行っているが、議員インターンもある。僕が利用したのは特定非営利活動法人ドットジェイピーだ。
学生スタッフが運営しているが、説明会、インターン時の保険加入や議員のマッチングまでとても丁寧だった。初インターンの日は学生スタッフが議員会館まで同行してくれたので非常にありがたい。
ただし僕の場合は特に問題なくインターンを終えられたが、一般化はできず、あくまで個人的な感想であると述べておく。
また僕はドットジェイピーの関係者でもなんでもなく利用者の一人に過ぎない。
僕は某国会議員のところでインターンしたが、議員と官僚の打ち合わせ、委員会の傍聴、国会でつくるフリップの作成などやらせてもらい勉強になった。
1つ後悔するなら漠然と参加するのではなくて疑問をいくつかもって議員や秘書の方にぶつければよかったと思っている。(当時は知識がなさすぎてできなかったが)
ちなみに民間企業で就職活動をしたときに議員インターンのことも聞かれた。プラスになったかどうかはわからないが、マイナスになったと感じたことはない。
②省庁や県庁の説明会
省庁や県庁は民間と違い、年中説明会をやっている。別に公務員を目指さなくても参加できるので気になる政策があったら霞ヶ関や県庁まで足を運ぶのもありだと思う。現役官僚や県庁職員と会って質問できる機会はなかなかない。
説明会でも全く国家公務員に興味なかったけど参加してみましたという学生を歓迎する風潮があるように感じた。国家公務員が外に意見発信するのは民間に比べると難しいので、数少ないアピールできる機会として嬉しいのかもしれない。
別に大学名とかも聞かれないので東大生じゃなくても大丈夫だ。
※ただし国家公務員試験直前〜官庁訪問の4月〜8月はやめたほうがいいかもしれない。こちらは本当に採用活動期になので採用担当の国家公務員からしても就職活動中の学生からしてもあまり歓迎されない気がする。(あくまで予想)
ここまでとりあげてきた「情報収集」というのはあまり党派色のない情報収集のやり方だ。(全く無色とは言っていない)
もちろん特定政党のイベントに行くのもいいと思うが、やはり党の色があるのでそれを真実だと思い込んでしまうとあとあと面倒なことになると思う。
最後に
最近よく「中道」だの「右でも左でもない」だの「中立」だの言うが、本当に中立で無色な情報などないだろう。どの情報も何かしらの「色」がある。(僕のブログだって色があるだろう。無いように努力はしているが)
本当にやるべきはその色を意識したうえで、様々な情報を集め、偏見や思い込みを減らす努力をすることだろう。
真実なんてないと思いつつも、真実を探したいと言う矛盾から生まれる知的好奇心のみが人間を自由にするのではないか。
と思っていたら先日、次のようなニュースを見て、人間の難しさを感じた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090100432&g=int
とにかく、この記事が皆さんの何かの参考になれば幸いである。
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次は文学について書く予定。